旧居留地の建物
神戸旧居留地オフィシャルサイト:http://www.kobe-kyoryuchi.com/

神戸市立博物館(旧横浜正金銀行)
所在地:神戸市中央区京町24番地

設計:桜井建築事務所
施工:竹中工務店
竣工:昭和10(1935)年

RC造り、地上3階、地下1階。正面は6本のドリス式半円柱、他の壁面には壁柱を並べた古典主義様式。外装は全て御影石。内部は改修のため昔の面影は薄れたが、かつての2階吹抜けの銀行業務室、天井格子はほぼそのまま残っている。設計者の桜井小太郎は、日本人初の英国公認建築士(A.R.I.B.A.)として知られる。この建物は彼が引退する直前の作品で、戦時体制が色濃くなり始めた時期でもあり、神戸にとって明治以来の様式主義建築の最後を飾るものである。
(平成17年6月1日 撮影)
(平成17年6月1日 撮影)

旧居留地十五番館(旧アメリカ総領事館)
所在地:神戸市中央区浪花町15番地

設計:未詳
施工:未詳
竣工:明治14(1881)年 (平成10年再建)
備考:国指定重要文化財

木骨煉瓦造り2階建て。コロニアル(植民地)スタイルで、平成元(1989)年年に国の重要文化財に指定された。当初はアメリカ領事館として、1890年からはイギリス系の有力な船会社の神戸支店責任者、H・Lバーガレーの私邸として使用され、居留地制度の廃止された99年ごろからは使用者などが変遷した。1917年2月9日には、当時この建物を使用していた日本企業が土地と建物の所有権をイギリス人から買い取り、旧居留地時代から続いていた永代借地権が解消され、1966年からは建材会社の所有となった。阪神淡路大震災では、埋め立てられた地盤が砂質土層だったため液状化現象を起こし倒壊。基礎石は最大で309ミリも沈下した。ほかの異人館と比べて重量があり、使われていたレンガの強度が低かったことなども倒壊の原因となった。再建に際しては、がれきとなった柱や窓枠などをできる限り利用して重要文化財指定を継続し、また震度7の揺れも3分の1程度に押さえられる免震工法を採用した昔のままの外観の中に最新の技術を秘めた建築物である。現在はカフェレストランとして利用されている。

(平成17年6月1日 撮影)
(平成17年6月1日 撮影)

神戸旧居留地下水道管
所在地:神戸市中央区浪花町15番地

設計:J.W.Hart(イギリス人技術者)
施工:J.W.Hart
竣工:明治5(1872)年頃
備考:国登録有形文化財

神戸外国人居留地の開設当初の下水道は、レンガを用いて円形管と卵型管が南北道路に沿って6本1880mが施設された。近代下水道としては横浜と並び日本で一番古いもので、現在でもその一部が雨水幹線として使用されているそうだ。旧居留地15番館横に施設状態の展示がある。
(平成17年8月14日 撮影)

旧居留地38番館(旧ナショナルシティ銀行神戸支店)
所在地:神戸市中央区明石町38番1号

設計:ヴォーリズ建築事務所
施工:竹中工務店
竣工:昭和4(1929)年

SRC造り地上3階、地下1階建て。南側正面の4本のイオニア式円柱や側面の7本の壁柱、それらの脇を固める目地を強調した石積み壁等、アメリカン・ルネッサンス様式の重厚で量感のある石造意匠を有する。設計はヴォーリズ建築事務所で、所長のヴォーリズ自身がアメリカ人であったことから外国企業の建築を多く手がけた。アメリカ人の事務所員も草創期を除き常に在籍し、この建物はW.E.ハインズが担当した。
(平成17年5月31日 撮影)
(平成17年5月31日 撮影)
(平成17年12月7日 撮影:クリスマス期間限定ののイルミネーション)

ニッセイ同和損害保険株式会社神戸支店ビル
所在地:神戸市中央区明石町19番地

設計:長谷部・竹腰建築事務所
施工:竹中工務店
竣工:昭和10(1935)年

鉄筋コンクリート造4階建て。神戸旧居留地19番に建つ正面の長い連続アーチ窓が特徴の建物。
(平成17年6月7日 撮影)

大丸神戸店
所在地:神戸市中央区明石町38番40号

設計:日建設計・双星設計
施工:大林・戸田・三菱・北野共同企業体
竣工:平成9(1997)年2月

地上10階、地下2階。以前の大丸神戸店は本館に西館、南館を増床し完全なフロア続きの1つの建物となっていた。平成7年の阪神大震災で本館部分だけが被災し、平成9年に新館として復興を遂げた。第9回JSCA賞特別賞受賞(日本建築構造技術者協会)。以前の大丸神戸店の建物を再建するのではなく、旧居留地にふさわしいデザインの建物をというコンセプトで新たに建てられたもので、いわゆる「歴史的景観の建造物」ではないが、そのコンセプトと芸術性の高さから敢えて紹介した。
(平成17年5月31日 撮影)

神戸朝日ビルディング
所在地:神戸市中央区浪花町59番地
旧建築
設計:渡辺節
施工:
竣工:昭和9(1934)年

新建築
設計:竹中工務店
施工:
竣工:平成6(1994)年2月
超高層オフィスビル(地上25階、塔屋1階、地下2階:最高部112m)であるが、低階層は旧神戸証券取引所(渡辺節設計、1934年建築)の外観を復元している。
公式HP http://www.asahibuilding.co.jp/
(平成17年9月5日 撮影)

海岸通の建物

 
夕暮れの海岸通 (国道2号線)
手前から海岸ビル、商船三井ビルなどの歴史的建造物が立ち並ぶ。 (平成17年5月31日 撮影)

チャータードビル
所在地:兵庫県神戸市中央区海岸通9番地

設計:ジェイ・ヒル・モーガン(Jay Hill Morgan)
施工:大倉土木
竣工:昭和13(1938)年

RC造りの地上4階建て。チャータード銀行(Chartered Bank)神戸支店として1938年に竣工した。正面外壁にはイオニア式列柱が配され、内部は装飾が施された折れ天井に全面大理石貼りの広大な吹き抜け空間が配されているなど、英国の銀行らしい豪壮な造作になっている。
(平成17年5月31日 撮影)

神港ビル
所在地:兵庫県神戸市中央区海岸通8番地

設計:木下益次郎
施工:竹中工務店
竣工:1939年

RC造 りの8階建て 。1939年に川崎汽船本社として竣工。今も現役のオフィスビルとして利用されている。 チャータードビルの隣、海岸通りに面して建ち、奥行きは70m近くある。近代建築と現代建築の境界に位置する様式で、装飾がなされたガラス張りの塔は当時既にアメリカで建設されつつあったモダニズムスタイルのビルをイメージさせる。

(平成17年6月7日 撮影)

商船三井ビルディング
所在地:兵庫県神戸市中央区海岸通5番地

設計:渡辺節
施工:大林組
竣工:大正11(1922)年

旧大阪商船神戸支店として竣工。鉄骨コンクリート造り7階建て。曲線的なデザイン、最上部半円のペディメント(破風)や、テラコッタ(浮き彫り感のある大型タイル)をあしらった石張りの外壁など、細部にも様々な工夫を施した、まさしく名建築と言える建物。現在、1階と2階の一部は大丸のインテリア館、その他は、さまざまなテナントが使用している。
(平成17年5月31日 撮影)

(平成17年5月31日 撮影)
(平成17年8月14日 撮影)

海岸ビル(旧三井物産神戸支店)
所在地:神戸市中央区海岸通3番地

設計:河合浩蔵
施工:竹中工務店
竣工:大正8年(1919)年

RC造り、地上4階、地下1階建て。(現在は15階となっている)。カーン式という特殊な工法で構築され、外壁は平板化されたペディメントや幾何学的装飾、キーストーンの形態などセセッションの影響を強く表現している。阪神・淡路大震災によって全壊。再建に際して元の石材を再利用するかたちで外壁を復元保存させた。設計は河合浩蔵が手がけ、自らこれを「現代式」と名付けている。建物の全体としての構成は旧来の様式建築だが、東面、南面の中央最上部はパラペットを―段上げ、そこに唐破風曲線を用いるなど和風の要素も混入しているのが注目される。

(2005年5月31日 撮影)

神戸郵船ビル(旧日本郵船神戸支店)
所在地:兵庫県神戸市中央区海岸通1丁目1番

設計:曽禰・中条建築事務所
施工:大阪橋本組
竣工:1918年(大正7年) 昭和28年改修

当時、新しい素材として注目されていた鉄骨や鉄筋コンクリートを用いた複合構造を実現させた。阪神・淡路大震災の1年前に耐震補強の改修工事を行っていたため、ほぼ無傷であった。画期的な改修(リフォーム)を行った優秀な建築物に贈られる「第6回BELCA賞 ベストリフォーム部門」((社)建築・設備維持保全推進協会が提唱)を受賞した。
(平成17年5月31日 撮影)

海岸ビルヂング((旧日豪会館)
所在地:兵庫県神戸市中央区海岸通3丁目1番5号

設計:河合浩蔵
施工:旗手組
竣工:明治44(1911)年

煉瓦造り、地上3階、地下1階。竣工当時は海岸通りで1,2を争う名建築であったという。戦災で正面中央のコーニス上に載っていた巨大なペディメントが失われたため、当初の面影とはかなり異なる。2階窓下の正統的なペディメントを自在に変化させた装飾をはじめ、和風の窓上唐破風の形態や、1階の幾何学的装飾、キーストーンの形態など、様式にとらわれない自由な細部の意匠や、玄関から一直線に掛けあがる直階段のダイナミックな空間デザインが特徴。
(平成17年10月26日 撮影)

旧居留地周辺の建物

銀泉神戸ビル( 旧神戸住友ビル )
所在地:神戸市中央区栄町通1

設計:長谷部・竹腰建築事務所
施工:清水組
竣工:昭和9(1934)年

鉄筋コンクリート造り3階建て。東面・北面共に細かな装飾を施した3連アーチ窓が特徴の建物。内部は8mの天井高に幾何学模様の床。
(2005年5月31日 撮影)

神戸市営地下鉄海岸線みなと元町駅
(旧第一銀行神戸支店)

所在地:神戸市中央区栄町4番4号

設計:辰野金吾
施工:直営
竣工:明治41(1908)年

石・煉瓦造り2階建て。東京駅も手がけた建築家、辰野金吾が設計し、明治41(1908)年に第一銀行神戸支店として建てられ、昭和39(1964)年からは大林組神戸支店であった。阪神淡路大震災で全壊し、取り壊すことになったが、外壁だけを残し、地下鉄の入り口として再利用された。
(平成18年3月25日 撮影)
(平成18年3月25日 撮影) (平成17年6月9日 撮影)

ファミリアホール (旧三菱銀行神戸支店)
所在地:中央区相生町1丁目1番21号

設計:曾禰達蔵
施工:直営
竣工:明治33(1900)年

栄町通りの西端に位置する。東側正面玄関上部のペアのコリント式オーダーをはじめ、切り石積みの1階部分やペアの柱型2組で一つの壁面単位をなす2、3階などルネサンス様式の意匠で、神戸における本格的洋風建築の先駆けとして知られている。かつては上部に三角ぺディメントが載っていたが、戦災で失われた。設計は曾禰達蔵で、三菱の技師として東京丸の内の煉瓦街などを手がけたが、取り壊されてしまったため、現存する作品としては最も優れたものといえる。現在はベビー用洋服を販売する「ファミリア」が使用している。
(平成17年6月13日 撮影)
(平成17年6月13日 撮影) (平成17年6月13日 撮影)

神戸市東遊園地管理事務所(旧神戸クラブ)
所在地:神戸市中央区 東遊園地内

設計:未詳
施工:未詳
竣工:未詳
旧外国人の社交クラブを復元したもの。

レストハウス127番館
所在地:神戸市中央区 東遊園地内


設計:未詳
施工:未詳
竣工:未詳
居留地にあった外国人向けのスポーツクラブの外観を復元。現在は、レストランとして使用。

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